生活の必需品「石けん」

石鹸の製法

主な製造方法

石鹸を製造するには3種類の製造方法があります。油脂鹸化法と脂肪酸中和法、エステルけん化法です。原料は天然油脂とアルカリのみですが、製法によっては最終製品に含まれない副原料を使用しています。天然油脂としては主に牛脂とヤシ油が使われていますが、その他にもオリーブ油、馬油、こめ油やツバキ油などいろいろな油脂が使われています。

1.油脂鹸化法
原料油脂を水酸化ナトリウムで鹸化して、食塩で塩析して分離します。原料油脂に前処理をしない古来からの製法になっているので、釜炊きと呼ばれています。品質がやや不安定ですが個性的な石鹸を作れるため、この製法で作られる石鹸は、主に小規模事業者が行っています。
2.脂肪酸中和法
原料油脂を高温加水分解して得られた脂肪酸を蒸留してグリセリンから分離して、単独で中和します。アルカリの残留がないのでお肌にやさしい石鹸が得られて、大量生産に適した品質も安定するために、大規模メーカーの製造(連続中和法)に使われています。また、分離したグリセリンは保湿機能を持つために、後で戻して配合する場合もあります。
3.エステル鹸化法
前処理として、原料油脂(トリアシルグリセロール)にメチルアルコールを反応させて、エステル交換反応によって脂肪酸メチルエステル(バイオディーゼルの主成分でもある)に変換した後に鹸化します。低温・短時間で鹸化できるため、油脂の酸化などによる匂いや不純物の発生を抑えることができます。アレルギー対策用などの製品で利用されています。

手作り石鹸

石鹸の製造するときには、油脂の構造、アルカリによる鹸化、塩析、界面活性や両性分子など化学的知見を比較的容易な操作で学ぶことが出来ることもあって、かつては理科や化学の実験教育に利用されていました。

1990年代に入ると、家庭で使用済み天ぷら油を下水道に流す問題が取り上げられることになりました。そのため、廃油を使った石鹸作りが広まるきっかけとなりました。その後も、環境教育やリサイクル、環境保全の一環として行われています。 また、アレルギー対策や表示指定成分(添加物)による悪影響を回避するスキンケアを目的として、オリーブ・オイルなどを原料として安全な石鹸作りを行う人もいます。手作りしてできた石鹸には副生物のグリセリンが多少残留しますが、無害です。

ただし、製造時に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムといった高濃度の劇物を使用する為にリスクが発生します。そして出来きあがった石鹸の品質は保証はできないので、原料の残留によって肌が荒れたりするという恐れがある使用上のリスクがあるので、十分な知識が無い状態で安易に石鹸作りをすることは止めた方がいいとも言えるでしょう。

材料などには、エプロン・ゴム手袋・新聞紙・鍋・まな板・ナイフ・温度計・ボウル・ゴムべら・ガラスの瓶・泡立て器(ハンドミキサー)・プラスチックボトル(フタ付き)・小皿・電子はかり・計量スプーン・定規・牛乳パック・バスタオル

そして、劇薬の苛性ソーダを使用するので取扱いには注意が必要です。間違って肌に苛性ソーダをふれてしまうと、やけどの様に皮膚が晴れてしまいます。夏場でも顔を保護するためにマスクにゴーグルを着用して夏場でも肌を出さない様にした方がいいでしょう。

作り方

  1. 反応に必要なアルカリの量を計算します。使用する原料油脂の鹸化価と、アルカリの分子量から求めます。
  2. アルカリを少量の水に溶解して、原料油脂を加えて撹拌します。
  3. 次第に粘度があがって、約20分ほどで反応が完了ます。固まらない場合は、分量が間違っています。
  4. 二週間放置した後に、飽和食塩水を加えて撹拌します。そして分離した固形分を取り出します。
  5. pH試験紙でアルカリ残留確認をします。そして石鹸のアルカリ性範囲内であることを確認します。

アレンジ可能な石鹸作り方

材料(牛乳パック1個分):精製水…170g・苛性ソーダ…70g・オリーブオイル…150g・ココナッツオイル…150g・パームオイル…150g・ひまし油…50g・牛乳パック…1個

作り方

  1. 牛乳パックの注ぎ口にテープを貼ります。側面には切り込みを入れて、石鹸液を流し込めるように状態を作ります。
  2. プラスチックボトルに精製水を入れます。そこに苛性ソーダを少しずつ加えてから混ぜます。(化学反応で発熱するので注意)
  3. ボウルに水を入れておきます。
  4. 2のプラスチックボトルのフタを閉めます。そして3のボウルにつけて冷やします。
  5. 鍋にオリーブオイル、ココナッツオイル、パームオイル、ひまし油を入れます。弱火で加熱します。
  6. オイルが透明になったら(約45度)、火を消します。
  7. 4の温度も約45度になったら、ボウルから出します。
  8. 鍋に7を少しずつ加えます。目安は、白っぽくなってとろみが出るまです。約15分間ほど混ぜます。
  9. 8の表面に生地で太い線が描けるようになるまで、さらに約10分ぐらい混ぜ続けます。
  10. 切り込みを入れてある牛乳パックに9を入れます。そして軽く叩いて中の空気を抜きます。
  11. 側面の切り込み部分には、テープを貼って切り込み部分を塞ぎます。
  12. すぐに冷めないように、牛乳パックをバスタオルで包みます。そしてそのまま、24時間保温しておきます。
  13. 牛乳パックから取り出します。ナイフや型抜きを使って、適当な大きさに切り分けます。
  14. 通気性のよい日陰において自然乾燥させます。約4週間ぐらい乾燥させれば出来上がりです。