生活の必需品「石けん」

石鹸の成分 その2

添加物

脂肪酸の匂いを和らげるために、よく香料が加えられるほかにも、洗濯石けんと化粧石けんをはっきりと区別するために目立つ染料を添加した製品もあります。また、化粧石けんには添加剤によって保湿や皮膚への有用性を述べている様々な製品が販売されています。その一方で、主成分の脂肪酸塩の腐敗やカビの繁殖を防ぐために、ジブチルヒドロキシトルエンなどが保存料として使用されています。このため無添加の製品は、変質を防ぐために使用者が配慮する必要となっています。

洗浄補助剤

アルカリ剤、軟化剤、水分調整剤として炭酸塩やゼオライト、ケイ酸塩などの無機塩が使用されます。粉石鹸には水分を放出する作用を持つ炭酸塩やゼオライトが使わられていて、固形石鹸には水分を保つ性質を持つケイ酸塩(水ガラス)が使われています。

金属封鎖剤

遷移金属も脂肪酸塩と反応して石鹸カス(金属石鹸)を作りますが、この石鹸カスはだいたい有色になっています。(例えば銅せっけん)硬度成分が洗浄効果を損ねてしまうこと以上に着色による支障が懸念されているので、これを防ぐため遷移金属と優先的に結合するキレート剤のエチドロン酸(ヒドロキシエタンジホスホン酸)塩、エデト酸(エチレンジアミン四酢酸)塩が使われます。

殺菌剤

薬用石けんの場合には、塩化ベンザルコニウムとトリクロサンなどが有効成分となっています。しかしこれらの有効成分が、効果を充分に発揮するためにはpHを低くする必要があります。そのため脂肪酸塩ではなく合成界面活性剤(アシルイセチオン酸ナトリウム(スルホン酸類)、アシルグルタミン酸ナトリウムなど)が使用されているのでれ、ここで言う石鹸には該当しない可能性が高いといえるでしょう。

界面活性剤の種類

薬事法の成分名では「石けん素地」と表示されています。しかし一方、合成界面活性剤は物質名で表示されています。メーカー側が製品をアピールする目的で純石鹸、無添加などを謳っている場合には、脂肪酸塩が主成分である可能性が高くなっています。

家庭用品品質表示法で定められている品名表示

石けん(品名表示)

主な洗浄作用が純石けん分の界面活性作用によるもの、 純石けん分以外の界面活性剤を含まないもの。(界面活性剤中の脂肪酸ナトリウム(純石けん分)の割合が100%)

複合石けん(品名表示)

主な洗浄作用が純石けん分の界面活性作用によるもので、純石けん分以外の界面活性剤を含むもの。(界面活性剤中の脂肪酸ナトリウム(純石けん分)の割合が洗濯用70%以上、台所用60%以上で100%未満)

合成石鹸(品名表示)

主な洗浄作用が純石けん分以外の界面活性剤の働きによるもの。(界面活性剤中の脂肪酸ナトリウム(純石けん分)の割合が0%以上で、洗濯用70%未満、台所用60%未満)

法律での規制

日本の法令体系では、身体洗浄用石けん(浴用、薬用)は薬事法での化粧品と医薬部外品として、家庭用石けん(洗濯用・台所用)は家庭用品品質表示法での雑貨工業品品質表示規程で規格化されています。

薬事法ではすべての原料成分名を表示することが義務付けられていますが、家庭用品品質表示法の様な石鹸・洗剤の区分や割合の表示義務はありません。また、化粧石鹸の場合は含量の多い順に記載されていますが、薬用石鹸では医薬部外品として有効成分とその他の成分を分けることが規定されているために、含量の多寡は明らかではありません。化粧石鹸にはJIS規格があります。

家庭用品品質表示法では界面活性剤の種類と含有量によって、洗濯用石けんは70%以上、台所用石けんは60%以上が脂肪酸塩であることが義務付けられています。含有量の試験方法としては、JIS K3304 せっけん試験方法 があります。